「次期指導要領では,中学校での幾何の一部(立体の切断,重心,接弦定理等)が削除,あるいは高校へ移されると聞いています。一番恐れていることは冒頭でも述べましたが益々空間的造形感覚が乏しく,実体験の少ない生徒が増加するのではないかということです。幾何が論証に偏重してまうのではという不安もあります。現課程では小学校高学年で立体の切断や展開を学習します。しかし,思う様に指導できる時間を確保するのが大変だという事もあるのでしょうが,生徒への定着はかなり低いようです。高等学校においても,空間における造形感覚はもちろん,座標感覚でさえままならない生徒が多いといえます。
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今,幾何が中・高で一番問題ではないかと思っています。次期の指導要領でもその全体像が明確になっていないと思うのは私だけでしょうか? 私は初等幾何を高校で学習した最後の世代です。それをもう一度とは思いませんが,投影図などを含めた立体図形の指導がもう少し重視されるべきだと思います。」
「空間図形の扱いが困難なことの要因として考えられるものを上げてみることにする。第一には,黒板に図を描いても,それが立体的に見えないことが多いので,問題のもっている図形の位置が想像できない。第二には,座標をどのようにとればよいのかか分かりにくいことであろう。」と述べておられます。まさに基本的なイメージが構築できないことへの危惧が懸念されているわけです。
⇒「3DGraphics In Mathematica」(M.Sanaee)
http://www.nikonet.or.jp/spring/sanae/3D_Math/3D_Math.htm
⇒「VRML2.0 TUTORIAL」(M.Sanaee)
http://www.nikonet.or.jp/spring/sanae/VRML2/Vrml2.htm
⇒「POV-Ray First」(M.Sanaee)
http://www.nikonet.or.jp/spring/sanae/Pov_Ray/Pov_Ray.htm
⇒「Page LiveGraphics3D」(M.Sanaee)
http://www.nikonet.or.jp/spring/sanae/LiveGraphic3D/LiveGraphic3D.htm
⇒「MathGL3D for Mathematica」(M.Sanaee)
http://www.nikonet.or.jp/spring/sanae/MathGL3D/MathGL3D.htm
⇒「数学玉手箱 立方体の展開・切断」(M.Sanaee)
http://www.nikonet.or.jp/spring/sanae/MathTopic/MathTopic.htm
⇒「数学玉手箱 波面にみる2次曲線」(M.Sanaee)
http://www.nikonet.or.jp/spring/sanae/MathTopic/MathTopic.htm
⇒「空間図形の導入部分におけるコンピュータの活用」(早苗 雅史)
http://www.nikonet.or.jp/spring/My3D/My3D.htm
⇒「3次元感覚を育てるための一つの試み」(早苗 雅史)
http://www.nikonet.or.jp/spring/sanae/My3D_2/My3D_2.htm
3次元空間における学習指導のコンピュータの有効的な活用法を模索してきたわけですが,更なる実践と研究が求められることは明らかです。
今回の実践では実際に生徒にコンピュータに触れさせた上での実習形式の授業でした。扱った内容も空間図形の座標の取り方,ぞれに基づく平面・図形の作成,そして移動という限られたものでしかありません。しかし,板書だけでは不可能な部分を補い,空間における座標のイメージを膨らませるには,有効な方法の一つではなかったかと思います。
空間図形に限らず他の分野においてもそうですが,指導の方法はコンピュータである必要はまったくありません。他の教材や教具同様,コンピュータは活用の一つの“道具”でしかないことは自明です。コンピュータにとらわれず様々な指導法の模索がこれからも求められていくのではないかと考えます。