個体群成長の数理モデルについて
 
@Author Yuuichiro.Hayashi  @Version1.00;29.Nov.2014
 事象に存在する数理現象のモデル化の例として、個体集団の生長モデル(あるいは抑制的に増加して)を表す方程式について考察する。この種の問題では、Fibonacchiのウサギの増殖数列(「算盤の書LiberAbaci,1202」はなじみ深い。また、日本では江戸時代にベストセラーだったという和算の書、塵劫記(吉田光由1598〜1672)のネズミ算がある。この素材は等比数列あるいは指数関数の教材として活用されているであろう。
 この稿ではネズミ算に関連して差分方程式について触れる。また、自然界でのネズミは、天敵や環境条件で抑制され計算通りには増えない。このような条件付きのモデルに有効なロジステック方程式について触れ、最後にライフ・ゲームを扱う。

整数教材としてのEuclid互除法と連分数について
 
@Author Yuuichiro.Hayashi  @Version 1.00;7.Jun.2014
 久しぶりに高校数学「数学A」に導入されたEuclid の互除法は人類最古のアルゴリズムであり、B.C.300 年頃に記されたEuclidの原論第7巻命題1に記載されている。ギリシャ数学はバビロニア数学のように代数が発達していなかったから図形の辺の長さで表されている。この互除法は連分数の考え方と同じであり、また数の連分数展開から無理数への理解が一層深まるのである。
 本稿では、Euclid の互除法と不定方程式、連分数と関連する幾つかのトピックスを紹介し、「整数の性質」の単元にかかわる整数論の話題を提供し、高校数学における発展的な整数教材について考察する。

微分積分のよさを実感しよう!― 惑星の運動法則を導く ―
 
@Author Yuuichiro.Hayashi  @Version 1.00;7.Jun.2014
 Ison 彗星が先日、太陽付近の近日点を通過した天体ショウは大きな話題となった。また、lovejoy 彗星が接近中である。Cinderella を用いて遊星のKepler 運動を見ていると面積速度が太陽の引力で急に大きくなる。実に不思議な現象である。Newton(1642〜1727)の歴史的な著作『Principia』(プリンキピア)3 巻の第1 巻「物体の運動について」では向心力による運動として、Kepler(1571〜1630)の面積速度法則、距離の2 乗に反比例する向心力の場で物体の運動は円錐曲線になるなどが運動方程式と万有引力の法則から演繹的に導いている。これを可能にしたのがApollonius の円錐曲線、Decartes の座標幾何、Newton・Leipnitz の微分積分などの数学言語であった。本稿では、2でKepler の法則を、3でこれをNewton 力学から導く過程を確かめる。これは三角関数、ベクトル、円錐曲線、微分積分の応用の宝庫であり、特に微分積分のよさを実感できる教材になりうる。

いろいろな面積の求め方とジョルダン測度
 
@Author Yuuichiro.Hayashi  @Version 1.00;30.Nov.2013
 面積は、体積や個数など「大きさ」を表す量として古来関心が払われてきた。ところで、面積とは何か?積分を学ぶ際、図形の面積について理解するのは有益であろう。馴染のあるRiemann積分はJordan測度に依拠している。本稿は、面積のいろいろな工夫による求め方を概観し、面積を抽象化したJordan測度の概念を紹介する。

ある線型連立方程式とフロベニウス根について
 
@Author Yuuichiro.Hayashi  @Version 1.00;3.Aug.2013
 ここで紹介する或る線型連立方程式は非負行列に関するフロベニウスの定理に係わるもので、数理経済学や確率論で近年応用されることが多い。
 次のような問題を高校生に出したらどういう解き方をするだろうか。

アルベロス図形と算額図形の数理
 
@Author Yuuichiro.Hayashi  @Version 1.00;8.Jun.2013
 昨年秋、大学時代の友人から面白い問題を考えたので大学の講義の折にでも使ってくれという手紙に添えてレポートが届いた。彼は東京都立高校で長らく教職に就く傍らNHKのラジオ・TV講座、教科書執筆(啓林館)を手掛けた異才な人物である。テーマは「複素数と直線と円そして、アノレベロスからシュタイナー円鎖へ」というもので、内容は、複素数平面上で直線や円、1次分数変換、反転を説明し、アルベロスやパップスの円環定理、シュタイナーの円鎖定理を扱った、たいそう面白いものであった。また、和算ではこの種の円に関する幾何図形を多く扱っており、算額として神社に奉納されている。本稿では、 アルベロス図形と或る算額問題に潜む数理を紹介する。

面積で導入する対数関数
 
@Author Yuuichiro.Hayashi  @Version 1.00;26.Jan.2013
 高校数学の微積分は、極限、関数の連続、中間値の定理、平均値の定理、自然対数の底、原始関数を求める議論、区分求積による面積などで「…であることが知られている」「一般に…が成り立つ」と直観的に理解させるものとなっている。だから、極限の議論に必要な実数の性質(連続性の公理かデデキントの切断)とCauchyの収束条件、ε−δテクノロジーなどは回避し、“直観的な理解”を促す。他方で、論理的思考力の急激な発達段階にある高校3年生には、論拠に基づき筋道立てた教え方も必要な場合があるであろう。
 本稿では、指数・対数関数を取り上げてそれを体系的に扱うために、対数関数y=logxをy=1/xのグラフを用いた図形の面積で導入する方法を紹介する。

Pascalの定理と2次曲線
 
@Author Yuuichiro.Hayashi  @Version 1.00;1.Dec.2012
 私は高校生の頃、数学史の本を読んでいて円に関するPascalの定理を知り、証明を試みたができなかった。先生に伺ったところ、初等的な証明を示された。次の指導要領で幾何は姿を消し、ベクトル、行列、平面図形の公理的構成などのハイカラな教材が取って変わった。
 高校生の私はその定理の美しさと同年代の少年が発見したことに強い感動を与えられた。Pascalの定理は、円に内接する6角形の場合が有名だが、高校数学の主役である2次関数はもとより分数関数、楕円、退化した2直線などの円錐曲線でも成り立つ。
 本稿では、円錐曲線におけるPascalの定理の射影幾何的な証明と円錐曲線は二次曲線となる証明を紹介する。

三角形の面積公式、正弦定理、第一余弦定理、第二余弦定理の同値性について
 
@Author Yuuichiro.Hayashi  @Version 1.00;4.Aug.2012
 三角比を用いて平面図形の性質を計量的に調べることは三角比の有用性を知るうえで大切なことである。これらはそれぞれ形は異なるが、実はすべて同値であることから教材としての流れを示します。

RSA暗号と素因数分解
 
@Author Yuuichiro.Hayashi  @Version 1.00;2.Jun.2012
 今日、インターネット上の商取引や重要文書の通信セキュリティ、デジタル・ファイルの管理に 暗号化ソフトが使われている。これにはRSA暗号方式が使われている。これは、1977年MITの Rivest、Shamir、Adlemanのグループが考案したもので彼らの頭文字をとってRSA暗号として いる。彼らはこの功績でTllring賞(2002年)を受賞した。この暗号には初等整数論のいろいろな 性質や巨大素数からなる巨大合成数が活用されている。もしこの数が意図的に因数分解できればた ちまち暗号は解読されセキュリティは破綻する。本稿では、この暗号体系にかかわる整数論や素因 数分解問題の話題を提供する。

数理パズルから数学の世界へ(1)
 
@Author Yuuichiro.Hayashi  @Version 1.00;26.Nov.2011
 数理パズルにはハツとするような面白いものがあり、その中には美しい数理が潜んでいて数学教育上効果的なものが少なくない。このようなパズルを解くうちに数や図形に関心を深め、基本的な原理・法則を学び、体系的に組み立てていく数学の考え方を体得し、事象を数学的に翻訳し解決する力が培われれば好ましいと思う。本稿では、以上の観点から中国剰余定理にちなんだパズルを 紹介する。

数学教育へのモノローグ 
 
@Author Yuuichiro.Hayashi  @Version 1.00;28.Dec.2005
 数学教師は,数学をどう考え,時代の流れを読み解き,どう教えるべきか?。 長年の実践を通して数学教育を振りかえる。第55回数学教育実践研究会講演会資料。

人工知能研究における推論について 
 
@Author Yuuichiro.Hayashi  @Version 1.00;28.Dec.2005
 人工知能開発の第一線で活躍した著者が,人工知能開発における導出原理と推論用言語planner,prologについて解説する。



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