この章の最初で、微分と積分の役割について、
しかし、曲線に囲まれた面積を求めることは古代エジプト時代からの課題でした。たとえば、ナイル川はすぐに氾濫しますし、その削り取られた土地は大体において変形な曲線の図形になることが多いのです。みんなは右図のような面積をどのように計 算しますか。
ギリシア人アルキメデスは、その土地を細かく分けて計算し、その和を求めました。かれはこの方法で円周率πの値も求めたのです。
[アルキメデスの円周率:プリントの裏にあります]
つまり、「積分」とは、
問題1:右図のような曲線に囲まれた面積S(曲線y=x2,x軸,直線x=1に囲まれた面積)を求める方法としてよく用いられたのが、区分求積法でした。
図のようにいくつもの長方形に分け、一つ一つの面積を計算し、最後にそれらを合計するという点で、これは、まさに積分(細かく分けて、かけて、たす)です。
(1)右上の面積を区分求積法で求めてみよう。
長方形の面積= (たて) × (よこ)
S1 = (0.1)2 × (0.1) = 0.001
S2 = (0.2)2 × (0.2) = 0.004
S3 = (0.3)2 × (0.1) = 0.009
S4 = (0.4)2 × (0.1) = 0.016
S5 = (0.5)2 × (0.1) = 0.025
S6 = (0.6)2 × (0.1) = 0.036
S7 = (0.7)2 × (0.1) = 0.049
S8 = (0.8)2 × (0.1) = 0.064
S9 = (0.9)2 × (0.1) = 0.081
+)S10 = (1)2 × (0.1) = 0.1
(2)(1)で求めた面積を、実際の面積Sに近づけるためには どのようにしたらよいか
答え 細かく分ける、あまっているところを引く、さかさまにくっつける
(3)下記の資料から最終的にこの面積はいくらになると考えられるか。
答え 0.3、0.333・・・ など → 1/3
[資料1]−区分求積法の理論−
[資料2]−パソコンによる計算値−
長方形 | 10個 | 100個 | 1000個10000個 | |
---|---|---|---|---|
面 積 | 0.385 | 0.33835 | 0.333833 | 0.333384 |
問題2:右図の斜線部分の面積Snを求めなさい。
そして、長方形の数をどんどん増やしていき、S(x)を求めなさい。
[準備]
1)
2)
[解]右上の図において、左から1番目の長方形は
です。 同じように考えて、n番目の長方形は
ですから、n個の長方形の面積の総和Snは次の式で表されます。
<説明>問題1のSは、問題2で言えばS(1)のことである。
S(x)=x3/3において
S(1)=13/3=1/3
問題1の結果と比較して、S(x)=x3/3が正しいことがわかる。