Chapter 0 はじめに 1 インターネットとは 2 インターネットの意味 3 インターネットとパソコン通信 4 インターネットにおけるサービス 1 今の学校教育に欠けているもの 2 改善への方針・施策 3 『MathOn-line』の構築 4 運用の実際 5 問題点とこれからの展望 1 情報化時代のリテラシー 2 情報化時代の教育(ネットワーク・マルチメディア) 3 情報化時代のカリキュラム 4 情報化時代の教師像 A 教育関係のメイリングリスト B 教育関係のWWW C 教育関係の研究会 D 参考文献 E 生徒による自律的意見交換 TIFORS F 100校プロジェクト共同利用企画概要 |
スタンドアローンのコンピュータがネットワークによって結ばれた時、それは授業の道具から学ぶための環境となる。
それは同時に、学校教育が教師主体(教える)から生徒主体(学ぶ)へと変革することを意味する。
情報社会化が進み、教育も自ずからその意味を根本的に問い直さなければならない時代に来ている。混沌としていた社会の情報化も、近頃はインターネットという言葉に置き換えられたような様相を呈して来ている。
インターネットとはいったい何者で、私達の社会をどのように変革しようとしているのだろうか。
そして人間は、教育はどうあるべきなのだろうか。私達の授業においては、その年度の授業は独立していて、翌年度の同じ学年の生徒に対してはほとんど何も貢献しないといって良いであろう。
その意味でスタンドアローンな環境である。人間もネットワークすることで最大限の能力を発揮するものであるとすれば、ネットワークされた学習とはいったいどのようなものであるのだろうか。この問いに対して私は、「自律的蓄積型数学データベース」と銘打ち、『MathOn-line』を提案したい。
これは、数学の面白い発想や高度だが有用な考え方などを、インターネットのWWWという仕組みにおいて公開し、そのことに対する学生・教師・社会人などからの感想や考えをリアルタイムに収集(この意味において自律的)する。
そしてその結果を再び公開していくことで、一つの話題に対する知の世界を拡大して行こう(この意味において蓄積型)とするものである。
その過程そのものが「学ぶ」ことに連なり、世代を越えた知の共有の世界が実10月12日よりスタートした『MathOn-line』は、内容的には未だプロトタイプの域を越えていないが、その実現については各方面からの反応を頂いている。
このプロジェクトを紹介すると共に、その可能性と問題点を明らかにして行く。